定足数
読み: ていそくすう
会議や決議が有効に成立するために必要な最低参加人数のことです。
定足数 (クォーラム、Quorum) とは、会議体が有効に議事を行い、議決するために必要な最低出席者数を指す。ラテン語で「そのうちの」を意味する語に由来し、法的な意思決定の正当性を担保するための制度である。定足数を満たさない会議で行われた決議は、法的に無効となる場合がある。
会社法における定足数
| 会議体 | 定足数 (出席要件) | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 株主総会 (普通決議) | 議決権の過半数を有する株主の出席 | 会社法 309 条 1 項 |
| 株主総会 (特別決議) | 議決権の過半数を有する株主の出席 | 会社法 309 条 2 項 |
| 取締役会 | 取締役の過半数の出席 | 会社法 369 条 1 項 |
| 監査役会 | 出席定足数の規定なし (決議は監査役の過半数の賛成で成立) | 会社法 393 条 1 項 |
監査役会だけは扱いが異なる。会社法 393 条 1 項は「監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う」と定めるだけで、出席者数の下限 (出席定足数) を置いていない。取締役会が「取締役の過半数の出席 + 出席者の過半数の賛成」という二段構えである一方、監査役会は賛成数の分母が出席者ではなく監査役全員になる。監査役 3 名の会社なら、2 名の賛成がなければ決議は成立しない。
日程調整における定足数の考慮
法的な会議体でなくても、「この会議は最低何人揃えば成立するか」を事前に定義しておくことは日程調整の効率化に直結する。10 人の参加者全員の予定を合わせるのは困難だが、「意思決定に必要な 5 人が揃えば開催する」と決めておけば、調整の難易度は大幅に下がる。
大人数の日程調整では、必須参加者 (定足数を構成するメンバー) と任意参加者を明確に区別し、必須参加者の予定を優先して候補日を絞り込むアプローチが有効だ。
法定会議の日程調整で気をつけること
取締役会のような法定会議体では、定足数割れは「決議が無効になる」実害に直結するため、日程調整の優先順位が通常の会議と逆転する。最も予定が取りにくいメンバー (社外取締役など) のカレンダーを起点に候補を組み、定足数を構成する人数の出席が固まってから他の参加者に展開する。また、当日の急な欠席で定足数を割るリスクに備え、ぎりぎりの人数でなく 1 名分の余裕を持った出席見込みで開催日を選ぶのが実務の知恵だ。