レトロスペクティブ
読み: れとろすぺくてぃぶ
プロジェクトやスプリントの節目にチームで振り返りを行う会議。アジャイルの Scrum で標準的に組み込まれます。
レトロスペクティブ (略してレトロ) とは、プロジェクトやスプリントの節目に、チームで振り返りを行う会議を指す。「過去を振り返って次に活かす」ためのプロセスで、アジャイル開発の Scrum で標準的に組み込まれている。日本語では「振り返り会」「KPT」とも呼ばれる。Atlassian の調査 (2023) では、定期的なレトロを実施するチームは、実施しないチームに比べてプロジェクト成功率が 1.6 倍高い。
レトロの基本構造
様々なフレームワークがあるが、最もシンプルで普及しているのが「KPT」だ。Keep (続けること)、Problem (問題点)、Try (次に試すこと) の 3 軸で振り返る。
K
Keep
うまくいったこと、続けるべきプラクティス
P
Problem
うまくいかなかったこと、課題
T
Try
次のサイクルで試すこと、改善案
KPT 以外のフレームワーク
| 名称 | 軸 | 適性 |
|---|---|---|
| KPT | Keep / Problem / Try | 汎用。最も普及 |
| Start / Stop / Continue | 始める / やめる / 続ける | アクション志向 |
| 4Ls | Liked / Learned / Lacked / Longed for | 感情と学びを重視 |
| Mad / Sad / Glad | 怒 / 悲 / 喜 | 感情に正直になりたい場面 |
| Sailboat | 風 (推進力) / 錨 (障害) / 岩 (リスク) / 島 (目標) | ビジュアル重視 |
機能するレトロの 5 つの条件
- 心理的安全性が確保されている (発言が責められない)
- 個人攻撃ではなくプロセスを批判する
- Try で具体的なアクションが決まる
- 前回の Try が次回の Keep / Problem に反映される
- 所要時間は 30-60 分にタイムボックス
形骸化しないために
レトロが「やらされ感」のある形骸化した儀式になりがちな理由は、出てきた Try が次に実行されないからだ。会議後のフォローアップと同じく、Try をアクションアイテムとして担当者と期限を決め、次回の冒頭で進捗確認するサイクルが必須となる。
頻度の設計
Scrum では 2 週間に 1 回のスプリント終了時に実施する。プロジェクト全体の振り返り (プロジェクトレトロ) は、四半期ごとや大規模リリース後に実施する。定例会議の最適化と組み合わせ、頻度と質のバランスを取る。
現場での使用例
「KPT を 3 ヶ月続けたら、Problem の質が変わった。最初は『リソース不足』みたいな大きすぎる課題ばかりだったけど、徐々に『コードレビューが遅い』みたいな具体的な課題が出てくるようになった」
「レトロやったけど Try が実行されない、ってのは Try の粒度が大きすぎるサイン。『コミュニケーションを良くする』じゃなくて『朝会で質問タイムを 5 分設ける』みたいに具体化する」