レトロスペクティブ
読み: れとろすぺくてぃぶ
プロジェクトやスプリントの節目にチームで振り返りを行う会議。アジャイルの Scrum で標準的に組み込まれます。
レトロスペクティブ (略してレトロ) とは、プロジェクトやスプリントの節目に、チームで振り返りを行う会議を指す。「過去を振り返って次に活かす」ためのプロセスで、アジャイル開発の Scrum で標準的に組み込まれている。日本語では「振り返り会」「KPT」とも呼ばれる。定期的に振り返りの場を持つと、仕事の進め方の問題に気づいて手を打つきっかけになる。
レトロの基本構造
様々なフレームワークがあるが、簡素で広く使われているのが「KPT」だ。Keep (続けること)、Problem (問題点)、Try (次に試すこと) の 3 軸で振り返る。
KPT 以外のフレームワーク
| 名称 | 軸 | 適性 |
|---|---|---|
| KPT | Keep / Problem / Try | 汎用。広く使われる |
| Start / Stop / Continue | 始める / やめる / 続ける | アクション志向 |
| 4Ls | Liked / Learned / Lacked / Longed for | 感情と学びを重視 |
| Mad / Sad / Glad | 怒 / 悲 / 喜 | 感情に正直になりたい場面 |
| Sailboat | 風 (推進力) / 錨 (障害) / 岩 (リスク) / 島 (目標) | ビジュアル重視 |
機能するレトロの条件
- 心理的安全性が確保されている (発言が責められない)
- 個人攻撃ではなくプロセスを批判する
- Try で具体的なアクションが決まる
- 前回の Try が次回の Keep / Problem に反映される
- 所要時間は 30-60 分程度を目安にタイムボックス
形骸化しないために
レトロが「やらされ感」のある形骸化した儀式になってしまう一因は、出てきた Try が次に実行されないままになることだ。会議後のフォローアップと同じく、Try をアクションアイテムとして担当者と期限を決め、次回の冒頭で進捗確認するサイクルを組み込んでおきたい。
頻度の設計
Scrum ではスプリントの終了時に実施する。プロジェクト全体の振り返り (プロジェクトレトロ) は、四半期ごとや大規模リリース後に実施する。定例会議の最適化と組み合わせ、頻度と質のバランスを取る。
Try の粒度が成否を分ける
レトロの質は Try の具体性に左右されやすい。「コミュニケーションを良くする」のような抽象的な Try は誰も実行できず、翌回に同じ Problem が再登場する。「朝会の最後に質問タイムを 5 分設ける」のように、担当者が明日から実行でき、実行したかどうかを次回に判定できる粒度まで落とし込む。Problem の側も同様で、続けるうちに「リソース不足」のような大きすぎる課題から、プロセスの具体的な引っかかりへと解像度が上がっていけば、レトロが機能し始めたサインと読める。