大学サークルの日程調整 - 時間割とバイトを越えて集まる方法
サークルの日程が埋まらない理由は、人数の多さではない。 20 人でも決まるときは 1 日で決まり、8 人でも決まらないときは 2 週間かかる。 差を作っているのは、メンバーが「自分がいつ空いているか」を答えられる状態にあるかどうかだ。
大学生の予定は 3 つの層でできている。時間割 / バイトのシフト / 学年ごとの必修や実習。 このうち 2 つは本人の意思では動かせず、しかも確定する時期がずれている。 時間割が確定していない週に候補日を配れば、返ってくるのは △ だけになる。
3 つの層が確定する順番に合わせる
候補日を配るタイミングは、この 3 層のうちどこまで確定しているかで決める。 層を通過するたびに使える枠は狭まるので、狭まりきる前に聞いても答えは出ない。
週の空き枠は 3 層を通って狭まる
※ 帯の幅は「その層を通った後に残る枠」のイメージ。実際の残り方はサークルの構成で変わる
この図から出る結論は 2 つある。学期の頭に候補日を配っても無駄になること、 そして 3 層を全部通った後に残る枠は限られているので、 いったん見つけたら単発の予定ではなく定例として押さえてしまうほうが得だということだ。
学期の頭は「日程」ではなく「枠」を決める
4 月と 10 月にやるべきなのは、活動日を 1 日ずつ決めることではない。 「今学期は火曜の 18 時から」という枠を 1 つ決め、それを学期末まで動かさないことだ。 枠が決まっていれば、メンバーはバイトのシフト希望にその曜日を空けて出せる。
- 枠を聞くのは履修登録の確定後。それより前の回答は履修の希望であって予定ではない
- 候補は曜日と時間帯の組で出す。「火 18 時 / 水 18 時 / 木 16 時」のように、日付ではなく枠を並べる
- 学年の内訳を見て決める。回答数だけを見ると、人数の多い学年の都合で枠が決まり上級生が来なくなる
- 枠は学期の途中で変えない。1 度動かすと、シフトを空けて確保していた人の努力が無駄になる
枠から外れる単発の予定 (合宿 / 大会 / 追いコン) だけを、そのつど日付で調整する。 日付の調整回数が学期に 3 回か 4 回まで減れば、幹事の作業は劇的に軽くなる。
シフト希望の締切より前に候補を配る
参加率をいちばん動かすのは、候補日の数でも回答期限でもなく、配る日だ。 月ごとにシフトを組む店では、前月の中旬から下旬にシフト希望を出すことが多い。 その締切を過ぎてから候補日を配れば、答えは「その日はバイトです」に固定される。
だから単発の予定は、開催の 1 か月半前 - つまり前月のシフト希望を出す前に候補を配る。 「まだ日付は決まっていないが、この 3 日のどこかでやる」と先に伝えるだけでも、 メンバーはその 3 日をシフト希望から外して申告できる。リードタイムを長く取ることの意味は、 考える時間を与えることではなく、他の予定が入る前に席を取ることにある。
サークルの新歓期は名前を書かせずに集める
新歓の日程調整だけは、他の時期とまったく別の設計が要る。 相手はまだメンバーではなく、連絡先の交換も済んでいない。 グループへの招待や会員登録を先に求めると、興味を持っただけの新入生はそこで離れる。
必要なのは、講義の後に渡したビラや掲示の QR から 1 タップで開いて、○ をつけて閉じられる出欠表だ。ピックデーで新歓用の候補表を用意すると、 回答する側にアカウントの作成も氏名の入力も発生しない。 回答欄には「学部と名字だけ」と書き添えておけば、連絡先を預かる話にもならない。
新歓は同じ内容を 2 回か 3 回に分けて開くほうが、1 回に全員を集めるより人が来る。 時間割が学部ごとに違うため、1 回に絞ると特定の学部が丸ごと来られなくなるからだ。大人数の日程調整で使う段階的な絞り込みは、 ここでは逆に働く。絞り込まずに複数回に散らすのが正解になる。
それでも決まらないときは、日を探すのをやめる
候補を 2 度配って過半数が揃わなかったら、探し方が悪いのではなく前提が間違っている。 全員が集まれる枠は存在しない、と結論して進め方を切り替える。
- 参加の最低人数を先に決める。「6 人集まれば実施」と宣言すれば、揃うのを待つ必要がなくなる
- 枠を 2 つに割る。前半と後半で来る人が違ってもよい活動なら、週 2 枠にして片方に出れば参加とみなす
- 学年で分ける。上級生だけの枠を別に置くほうが、全学年が揃う枠を探し続けるより実際に集まる
サークルの活動は、全員が揃った日の数ではなく、活動が続いた週の数で価値が決まる。 揃う日を探して 3 週間止まるより、6 人で 3 週間続けるほうが結果的に人が残る。